西洋的解決法と東洋的解決法
問題には二つの解決方法がある
相手を説得したり、環境や状況を変えたりと
「努力」で解決するのは「西洋的解決法」
自分の中に存在する「徳」で解決するのが
「根源的、根本的、本質的方法」
私たちは「相手を変える」ためには、説得し、討論し
論理的に相手を屈服させ、自分の意見を通すべきだという
教育を受けています
これが「西洋的解決法」です
大久保利通は幼馴染でもあり政治上のパートナ―でもあった
西郷隆盛を西南戦争で死に至らしめて独裁的な政治を行い
多くの人の反感を買いました
のちに外務大臣として活躍した陸奥宗光もその一人でした
陸奥が大久保の暗殺をくわだてているという
情報を知ったとき側近の中には「すぐに彼を捕えるべし」という
声が高まります
しかし大久保はこれを止めました
「私のような狭い度量の者には人に対する寛容さや寛大さが
必要で常にそういう方向に自分を持っていく努力をしなければ
ならない。陸奥はこれからの日本とって大変貴重な人材だから
投獄するのは大きな損失だ。私を暗殺したいならさせればいい
すきなようにさせておけ」と。
これを知った陸奥は大久保に協力して明治政府を支えていきました
反感も買った大久保ですが「寛容さ」や「寛大さ」を積み上げて
人との問題を「徳」で解決する努力をしていたのでしょう
これは「西洋的解決法」に対する「東洋的解決法」であり
恨みを残さずに問題を解決する唯一の方法なのかもしれません
著者不明