伝説の舞台
- makaronihourensoud
- 2018年5月10日
- 読了時間: 2分

舞台を観に行きました。
しかし、5分経ってもはじまらない。
15分経ってもはじまらない。
「どうなってるの?」
開演になっても役者は誰もステージに上がりません。
会場がざわつきはじめました。
「なにしてるんだっ!」
文句を言いはじめる人も出てきました。
この雰囲気やばいよ。
僕の後ろの席にいた人たちは、こんな話をしはじめました。
「前、雑誌で、
この劇団の主宰者のインタビュー読んだんだけど、
ある女性に恨まれているらしくて、
ときどき金縛り?みたいなので
突然動けなくなるんだって。
ひょっとしていま、
金縛りとかになって出てこれないんじゃない?」
「んなわけねえだろ」
僕は心の中で思いました。
そのときです。会場の照明が消えました。
会場が真っ暗闇に。
すると、僕の隣の女性が
「キャー!!!」という大きな叫び声を上げたのです。
「キャー、チカン!!!!」
「おい、俺じゃねえぞ」
しかし、後ろの人が「お前か!」と
僕の首をつかんできたのです。
「俺じゃねえって」
大変なことになりました。会場騒然。
実は、すでに舞台は、はじまっていたのです。
観客席に役者が最初から混じっていて、
「チカン」と叫んだのも役者。
真っ先にさわぎだした観客も役者。
なんではじまらないのか、
隣の人に勝手な噂を流していた観客も実は役者。
現実と舞台が混じり合う。
なにが演技でなにが現実なのか、
まったくわからない世界へ誘い込む。
これが伝説になった寺山修司の舞台「観客席」です。
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というわけで3秒セラピー♪
あなたの日常にも、ときには演技を混ぜてみよう。
毎日がグッと楽しくなってくるよ。
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僕は実際にはこの舞台を観ていないのですが、
観た人からこの話を聞いたとき、その発想にしびれましたね。
著書 ひすいこたろう